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2025-02-06

かなり怖い「根面う蝕」

年齢を重ねると、特に注意したいのが「根面う蝕(こんめんうしょく)」です。聞き慣れない言葉かもしれませんが、これまで歯のトラブルが少なかった方でも、根面う蝕には十分注意が必要です。

加齢や歯周病によって歯茎が下がると、それまで歯茎に隠れていた歯の根元(根面)が露出します。この部分は非常に虫歯になりやすく、歯茎の上に見えている歯の部分に虫歯がなくても、根元の部分で虫歯が進行し、最悪の場合、根元から歯が折れてしまうことがあります。

では、なぜ根面が虫歯になりやすいのでしょうか?歯茎の上に見えている歯は、人体で最も硬いエナメル質に覆われています。一方、根面はエナメル質ではなく、薄いセメント質で覆われているだけです。虫歯は、虫歯菌が酸を産生し、歯を溶かす(脱灰)ことによって進行しますが、エナメル質は硬いため、酸性環境でも耐性があります。対して、象牙質やセメント質は酸に対して敏感で、高いpHでも脱灰が始まりやすく、虫歯になりやすいのです。

根面う蝕の原因としては、まず高齢化による唾液量の減少が挙げられます。服用している薬の影響で唾液の分泌が減ることもありますが、唾液は食べかすを洗い流す役目や、お口の中の酸性を中和する役目を担っています。唾液が減少すると、虫歯が進行しやすい環境になります。また、口周りの筋肉の衰えにより、唾液の流れが悪くなることも一因です。さらに、歯周病によって歯茎が下がり、根面が露出したり、高齢になり根面をしっかりと磨くことが難しくなることも影響します。

根面う蝕は早期発見が重要です。根面は神経に近いため、虫歯が神経まで達すると、治療範囲が広がり、大がかりな処置が必要になります。場合によっては、フッ素塗布を行いながら経過を観察することもあります。

予防には、丁寧な歯磨きが欠かせません。また、フッ素をお口に残すことや、定期的な検診を受けることも重要です。小さな虫歯であれば、将来を見越して治療計画を立てることができます。定期検診については、ぜひ麹町歯科・矯正歯科にご相談ください。

歯の構造
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